
シフト作成では、勤務できる日にスタッフを入れるだけでなく、複数の条件を見ながら勤務表を組む必要があります。人数の少ない職場であれば、比較的調整しやすいかもしれません。しかし、スタッフが多かったり、確認すべき条件が多い職場では、いきなり割り振りを始めると、途中で割り振れない日が出てきて詰まってしまうことがあります。シフトを組み始める前に、どの条件を確認する必要があるのか、どのシフトや日付から先に決めるべきかを、あらかじめ整理しておくことが大切です。
この記事では、複雑な条件のシフトを組むときに、割り振り前に確認したいポイントと、シフト作成を進めるときの考え方を解説します。
目次
- シフト作成では、割り振り前の準備が重要
- 勤務ルールを整理しておく
- 割り振る順番を決める
- 3-1. 難しいシフトから先に割り振る
- 3-2. 対応できるスタッフが少ないシフトから割り振る
- 割り振りを始める前に確認すること
- 4-1. 希望休や予定が集中している日を確認する
- 4-2. スタッフが足りない日がないか確認する
- シフトを割り振るときの考え方
- 複雑な条件の勤務表の作成を楽にする方法
1. シフト作成では、割り振り前の準備が重要
シフトを作成する際には、割り振りを始める前の準備が重要です。事前準備をせずにいきなり割り振りを始めると、あとから「この日にシフトに入れるスタッフが誰もいない」というような状態になってしまうことがあります。そうなると、そこまでに作成したシフトを大きく修正しなければなりません。
特に条件が多い職場では、次のような項目を先に確認しておくと、途中で組めなくなるような場面を減らしやすくなります。
| 確認すること | 内容 |
| 勤務ルール | 勤務間隔、連勤上限、夜勤明け、役割配置など、勤務表を作るうえで守る条件 |
| 割り振る順番 | 制約が多いシフトや、対応できるスタッフが少ないシフトを優先 |
| スタッフの予定 | 希望休、有給休暇、研修などで、勤務できるスタッフが少ない日を確認 |
| 候補スタッフ | 最初からスタッフが足りない日がないか確認 |
このように、割り振りの前提を整理しておくことで、シフト作成中の見落としを減らしやすくなります。
2. 勤務ルールを整理しておく
シフト作成を始める前に、職場で確認すべき勤務ルールを整理しておくことが大切です。勤務ルールが曖昧なままだと、作成中に条件の見落としが起きやすくなります。あとから見落としに気づいた場合、すでに割り振った勤務を大きく修正しなければならないことがあります。
ここで整理しておきたいのは、勤務表を作るうえで必ず確認する条件です。すべてを細かく決め込む必要はありませんが、どの条件を優先して確認するのか、どの条件が勤務表全体に影響しやすいのかを把握しておくと、割り振りを進めやすくなります。また、ルールを見える形にしておくと、毎月のシフト作成で判断がぶれにくくなります。担当者が変わった場合にも、職場としてどのような基準で勤務表を作成しているのかを引き継ぎやすくなります。
3. 割り振る順番を決める
条件が多いシフトでは、どの勤務から先に割り振るかが重要です。すべてのシフトを一度に決めるのは難しいため、多くの場合は、順番を決めて1つずつシフトを割り振っていきます。
このとき、割り振る順番によって作成のしやすさが変わります。例えばシフト同士に制約がある場合(例:夜勤の日には遅番や早番には入れない)、あとから割り振るシフトでは、すでに入っている勤務との関係も考慮しないといけないため、難易度がより高くなります。そのため、割り振りにくいシフトを先に扱うように、あらかじめ割り振る順番を決めておくとよいです。
3-1. 難しいシフトから先に割り振る
シフトを割り振るときは、割り振りが難しいシフトから先に考えると調整しやすくなります。
たとえば夜勤や当直のようなシフトでは、前後の勤務も考慮する必要があるため、他のシフトを割り振った後に入れようとすると、調整が難しくなります。これ以外でも、条件が複雑なシフトは割り振り済みの勤務と干渉しやすいため、同様の問題が発生する可能性があります。このようなシフトを先に割り振っておくと、後から複雑な修正が発生しにくくなり、シフト作成全体を進めやすくなります。
3-2. 対応できるスタッフが少ないシフトから割り振る
シフトによっては、スタッフの配置に細かい条件がある場合があります。
例えば、リーダーを1名配置する、遅番には締め作業に対応できるスタッフを入れる、などの条件です。人数としては余裕があっても、このような配置に対応できるスタッフが限られる場合、そこで調整が難しくなることがあります。このようなシフトを後回しにすると、条件を満たせるスタッフがすでに別の勤務に入っていて、候補がいなくなることがあります。スタッフの配置条件があり、対応できるスタッフが少ないシフトは、先に割り振っておくと調整しやすくなります。
なお、割り振りにくいシフトが複数ある場合は、より候補が限られるシフトや、他の日への影響が大きいシフトを優先すると、全体を組みやすくなる場合があります。勤務ルールに変更がなければ、このようにして決めた順番を毎回使って問題ありません。
4. 割り振りを始める前に確認すること
スタッフの予定や希望を集めたら、割り振りを開始する前に全体の状況を確認しておきましょう。特に、各シフトに入れる候補スタッフの数を確認すると、最初からシフトを組みにくい日が見つかることがあります。
4-1. 希望休や予定が集中している日を確認する
まず、スタッフの勤務希望や予定の全体像を確認しておくことが重要です。
希望休が集中している日、有給休暇や研修などの予定が重なっている日などは、人手が不足しやすいです。連休前後、年度始め・年度末、参加するスタッフが多い予定やイベントがある日などは、特に注意が必要です。
4-2. スタッフが足りない日がないか確認する
スタッフの予定や希望は、単独で見るだけでは不十分です。まずは、すべての日でシフトの必要人数を満たせるだけのスタッフがいるかを確認します。リーダーなどの役割や、資格・経験などの配置条件がある場合は、その条件に対応できるスタッフがいるかもあわせて確認します。
特に予定や希望が集中している日では、全体の人数は足りていても、配置の条件を満たせない日がないか注意が必要です。場合によっては、配置の条件を満たすために、この時点でスタッフの予定や希望の調整が必要になることもあります。
また、割り振り自体は可能でも、候補スタッフが少ない日があります。そのような日は、あとから調整しようとすると選択肢が限られるため、先に配置を確定してしまった方がよい場合もあります。
5. シフトを割り振るときの考え方
スタッフが足りない日がないか事前に確認したら、難しいシフトや候補スタッフが少ない日から、実際に配置を進めていきます。
多くの場合、いきなり完全に公平な勤務表を作るのは難易度が高いです。まずはスタッフの配置など、必ず満たさなければならない条件を優先し、多少バランスが悪くてもひとまず勤務表を組んでしまうことをお勧めします。シフト回数などの公平性については、集計を確認しながら、極端な偏りができない程度に調整します。Excelを使っている場合は、スタッフごとの勤務回数や日付ごとの人数を集計しておくと、偏りや不足を確認しやすくなります。
一度割り振りができたら、シフトの回数が多いスタッフと少ないスタッフの間でシフトを交換して、よりバランスのいい勤務表に近づけていきます。その際には、他の条件が崩れてしまわないかも注意する必要があります。特に条件が多い場合は、すべてを完全に整えることが難しい場合もあります。
シフトが組めない場合は、どこに原因があるかを確認します。予定や希望が集中している日がある場合は、何かしらの調整が必要になることがあります。予定や希望を調整するのか、あるいは勤務間隔などのほかの条件の方を見直すのかは、優先順位をどうするかによって、その都度判断する必要があります。どうしても調整が難しい場合は、変則的な運用が必要になる場合もあります。
6. 複雑な条件の勤務表の作成を楽にする方法
条件が多いシフト作成では、確認すべき項目が増え、ひとつの修正が別の条件に影響することがあります。そのため、割り振りを始める前の準備と確認が重要になります。また、シフトを割り振るときも、全体の整合性を考えながら調整を行う必要があります。
Assignoは、職場ごとの運用をルールとして設定し、その条件に沿ってシフトを自動で割り振るシフト作成支援アプリです。すべての条件の整合性を考慮した上でシフトが割り振られるので、シフト作成の負担を大幅に軽減します。割り振りが難しい場合には、影響している条件を自動的に検出できるので、見直しも容易になります。
毎月のシフト作成の負担を減らしたい場合は、こうしたアプリを活用することもひとつの方法です。
監修者:水口 泰介
アサイノ・テクノロジーズ株式会社 代表
大学病院の医師として、部署内で約60名のスタッフのシフト作成を担当した経験をもとに、シフト作成支援アプリケーションAssignoを開発。シフト作成の考え方や判断基準を整理・体系化し、誰でも使える形でノウハウを仕組み化することに取り組んでいる。