
多くの職場では、毎日の業務を円滑に進めるために、働き方についてさまざまな決まり事があります。シフトを作成するには、これらの決まり事を踏まえて、誰がどのシフトに入るのかを考える必要があります。
この記事では、シフト作成で考える必要がある基本的な条件について、全体像を解説します。
目次
- シフト作成は、複数の条件を同時に考える作業
- シフトの種類と特徴を理解する
- スタッフの配置に関する条件
- 勤務の並び方に関する条件
- 勤務回数や負担の偏りに関する条件
- スタッフの予定や希望に関する条件
- 条件が多いシフト作成を楽にするには
1. シフト作成は、複数の条件を同時に考える作業
シフト作成では、勤務日にスタッフを割り振るだけでなく、勤務表全体として成り立つように、さまざまな条件を満たす必要があります。
ひとつひとつの条件は単純に見えても、複数の条件が重なると調整は難しくなります。ある条件を満たすためにスタッフを配置すると、別の日の人数が足りなくなったり、勤務回数が偏ってしまったりすることもあります。
そのため、シフト作成では、どのような条件を考える必要があるのかを理解しておくことが大切です。
2. シフトの種類と特徴を理解する
シフト作成では、まず職場のシフトの種類と、それぞれの特徴を理解する必要があります。
シフトの種類は、単なる名称ではなく、職場での働き方そのものを表します。日勤を基本に、早番や遅番を組み合わせる職場もあれば、24時間を日勤、準夜勤、夜勤のような時間帯ごとのシフトで交代している職場もあります。業種や職場によっては、同じ名称のシフトでも、実際の勤務内容や時間帯が異なる場合があります。
また、同じ名称のシフトでも、勤務する日や時間帯によって扱いが変わる場合があります。たとえば同じ夜間対応の当番でも、平日の当番と休日の当番では、勤務表上での意味合いが異なることがあります。
さらに、シフトの種類によっては、特有の条件がある場合があります。たとえば夜勤の場合、多くの職場では翌日を夜勤明けとして休みにしています。このように、どのようなシフトを扱うかによって、シフト作成で考える条件も変わります。
3. スタッフの配置に関する条件
シフト作成では、スタッフを各勤務日にどのように配置するかを考える必要があります。
特に基本となるのは、次の2つです。
1.スタッフがどのシフトに入れるか
すべてのスタッフがすべてのシフトに入れるとは限りません。日勤には入れるが夜勤には入れない、特定の時間帯のシフトにしか入れない、特定の業務には対応できない、という場合があります。
2.各シフトに何人必要か
日勤に何人、夜勤に何人、早番や遅番に何人必要かといった人数は、シフト作成の基本的な条件です。必要な人数のスタッフがいなければ、現場を円滑に回すことが難しくなります。業種や職場によっては、曜日や繁忙期によって必要人数が変わる場合もあります。
これらの条件は、シフトを作成する際の前提となります。それに加えて、職場によってはさらに細かい配置の条件があります。
たとえば、その時間帯のシフト内に、現場を取り仕切るリーダーや責任者を配置する必要がある場合があります。医療や介護などでは、資格を持つスタッフや経験のあるスタッフの配置が必要になる場合もあります。さらに、新人同士だけにならないようにする、特定のスタッフの組み合わせを避ける、といった条件がある職場もあります。
同じ人数で、同じ種類のシフトに入れるスタッフであっても、このような条件によって、適切な配置は変わります。
4. 勤務の並び方に関する条件
シフト作成では、ある日だけを見てスタッフを配置するのではなく、前後の日の勤務との関係も考えなければならない場合があります。
たとえば夜勤のある職場では、スタッフが十分に休息を取れるよう、夜勤の翌日を夜勤明けとして、通常勤務を入れないことが多いです。また、夜勤が短い間隔で続かないように、次に夜勤へ入るまで一定の間隔を空ける場合もあります。
所定の休日がなく、スタッフに休みを割り当てる職場では、連続して勤務できる日数に上限を設けて、一定の間隔で休みを確保する場合があります。
夜勤のような特定のシフトだけでなく、勤務時間帯の組み合わせに配慮する場合もあります。たとえば、遅番の翌日に早番を入れると、勤務間隔が短くなってしまうため、このような勤務の並びを避ける条件を設けることがあります。
このように、シフト作成では、1日ごとの配置だけでなく、勤務がどのような順番で並ぶかも重要な条件になることがあります。
5. 勤務回数や負担の偏りに関する条件
シフト作成では、勤務回数や負担が特定のスタッフに偏りすぎないように考える必要があります。
たとえば、休日の当番や遅番など、スタッフがあまり入りたがらないシフトがある場合、特定のスタッフにばかり割り振られると不満が出やすくなります。そのため、こうしたシフトは、ある程度回数の偏りが出ないように考える必要があります。
また、勤務回数だけでなく、シフトの種類による負担の違いにも注意が必要です。同じ勤務日数でも、日勤が多いスタッフと夜勤や遅番が多いスタッフでは、負担の感じ方が異なります。リーダーや責任者など、役割のある勤務が一部のスタッフに集中する場合も、負担の偏りにつながることがあります。
このように、シフト作成では、勤務回数や負担の偏りによる不公平感も考慮する必要があります。
6. スタッフの予定や希望に関する条件
多くの職場では、スタッフの勤務希望や休み希望を受け付けています。
常にすべての希望を反映できるとは限りませんが、可能な範囲で希望を考慮することで、スタッフの不満を減らしやすくなります。そのため、シフト作成では、スタッフの希望も重要な条件のひとつになります。また、希望とは別に、会議、研修、有給休暇などの予定が入る場合もあります。こうした予定がある日は、そのスタッフをシフトに入れられないことがあります。
スタッフの予定や希望が特定の日に集中すると、その日に勤務できるスタッフが少なくなります。さらに、必要人数やスタッフの配置条件と重なると、勤務を組むのが難しくなることがあります。予定は調整できない場合もありますが、スタッフの希望については、職場の状況に応じて調整することが多いです。
7. 条件が多いシフト作成を楽にするには
ここまでに挙げた条件は、比較的一般的なシフト作成の条件です。実際の職場では、これ以外にも細かな決まり事がある場合があります。
条件が少ないうちは、手作業でも対応しやすいかもしれません。しかし、条件が多く複雑に絡み合う場合、すべての条件を考えながらシフトを組むのは簡単ではありません。ひとつの条件を満たすために配置を変えると、別の条件が崩れてしまうこともあります。
Assignoは、職場ごとの条件に従ってシフトを自動で割り振るシフト作成支援アプリです。この記事で紹介した条件にも対応しており、職場ごとの決まり事を勤務表に反映できます。条件が多い場合でも、それらを考慮したスタッフの配置ができるので、シフト作成の負担を大幅に軽減できます。
毎月のシフト作成で考える条件が多くて大変な場合は、このようなツールを活用することもひとつの方法です。
監修者:水口 泰介
アサイノ・テクノロジーズ株式会社 代表
大学病院の医師として、部署内で約60名のスタッフのシフト作成を担当した経験をもとに、シフト作成支援アプリケーションAssignoを開発。シフト作成の考え方や判断基準を整理・体系化し、誰でも使える形でノウハウを仕組み化することに取り組んでいる。