
シフト作成は、職場によっては大きなストレスになりやすい業務です。
多くの条件を同時に考えながら勤務表を作成する作業は、それだけでも負担が大きくなりやすいです。さらに、スタッフが不足している職場では、どれだけ頑張って調整しても、シフトを組むのが難しいことがあります。また、シフト作成者は、勤務に対するスタッフの不満を受けやすい立場でもあります。勤務シフトは働き方そのものに関わるため、希望が通らなかったり、負担の偏りを感じたりすると、不満の矛先が作成者に向きやすくなります。これらのことから、シフト作成がつらい、毎月のシフト作成にストレスを感じる、という担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、シフト作成がつらいと感じるときに、作成者が一人で抱え込まないための考え方を整理します。シフトを組む技術だけでなく、上司や同僚に状況を共有し、必要な調整を進めるためのポイントを紹介します。
目次案
- シフト作成がつらくなる主な理由
- どうしても組めないときは、原因を整理して相談する
- スタッフから不満が出たときは、背景を説明する
- 希望が多すぎる場合は、受付ルールを見直す
- 負担が偏るシフトは、長期的な対策も必要になる
- 作成者が一人で抱え込まないために、状況を共有する
- シフト作成の負担を減らすために、ツールを活用する方法
1.シフト作成がつらくなる主な理由
シフト作成がつらくなる理由は、大きく分けると、勤務表を作る作業そのものの負担と、スタッフからの不満に対応する負担があります。
シフトを作成していると、特定の日に希望休が集中している、シフトに入れるスタッフが限られている、そもそもスタッフの人数が足りないなど、シフトを組むのが難しい状況になることがあります。期限までに勤務表を完成させなければならない中で、条件を何度も調整することは、作成者にとって大きなストレスになります。
また、シフトが完成しても、希望が通らなかったスタッフや、負担の大きい勤務が続いたスタッフから不満が出ることがあります。作成者としては、全体の条件を見ながら調整していても、スタッフ一人ひとりから見ると、「自分の希望が聞かれていない」「自分ばかり負担が偏っている」と感じることがあります。
このような状況が続くと、毎月のシフト作成が憂うつに感じられることもあります。
2.どうしても組めないときは、原因を整理して相談する
シフトが組みにくい場合でも、条件を整理したり、割り振り方を工夫したりすることで対処できることはあります。しかし、そもそも人員配置や職場の条件そのものに無理がある場合、作成者の工夫だけでは解決できないこともあります。
そのような場合、大切なのは、シフトが組めない原因を見える形にすることです。上司や関係者に説明するために、次のような点を整理します。
- どの日に人が足りないのか
- どのシフトで必要人数に届かないのか
- どの役割を担えるスタッフが不足しているのか
- どの希望や条件が重なっているのか
- 条件を守ると、どの日の勤務が成立しないのか
このように整理すると、「なんとなく組めない」のではなく、「この条件のままだと、この日が成立しない」と説明しやすくなります。組めない状況を上司や関係者に共有し、例外的な対応や調整が可能かどうか、職場として判断してもらうことが重要です。
たとえば、どうしても人が足りない日には、シフトに入る人数を一時的に減らしても現場が回るか確認する方法があります。本来の必要人数を満たせないことは望ましい状態ではありませんが、現実的に人員が足りない場合には、職場としてどこまで許容できるかを相談する必要があります。あるいは、スタッフに予定調整をお願いできれば、シフトが成立する場合もあります。この場合も、単に「出勤してほしい」と依頼するのではなく、なぜその日の調整が必要なのか、他にどのような選択肢を検討したのかを説明することが大切です。
重要なのは、例外を作ること自体ではありません。例外が必要なほどシフトが厳しい状況を、職場として共有し、作成者が一人で判断や責任を抱え込まないことです。
3.スタッフから不満が出たときは、背景を説明する
スタッフからシフトへの不満が出たときは、なぜそのようなシフトになったのかを説明し、状況を共有することが大切です。
不満といっても、その内容はさまざまです。たとえば、希望が通らなかったことへの不満や、夜勤・休日勤務の偏りへの不満があります。負担の重い勤務が続いていること、特定のスタッフだけ優遇されているように見えること、なぜそのシフトになったのか分からないことが、不満につながる場合もあります。
いずれの場合も、スタッフとシフト作成者では見えている情報が違います。不満のあるスタッフが、そのようなシフトを組むに至った背景を知っているとは限りません。人員に十分な余裕がない職場では、全員が満足できるシフトを作ることが難しい場合もあります。
そのため、希望を反映できなかった理由や、負担が偏ってしまった理由を説明することで、状況を理解してもらいやすくなることがあります。たとえば、特定の日に人が足りなかった、必要な役割を担えるスタッフが限られていた、他の希望と重なっていた、などの背景を共有することが考えられます。
もちろん、理由を説明すればすべての不満がなくなるわけではありません。それでも、理由が分からないまま不公平に感じられるよりは、判断の背景を共有できる方が、納得につながりやすくなります。
4.希望が多すぎる場合は、受付ルールを見直す
勤務希望や休み希望が多い職場では、シフト作成の負担が大きくなりやすくなります。
この日は休みたい、何曜日はこのシフトに入りたくない、逆にこの曜日はこの勤務にしてほしい、一緒に働くメンバーについて希望があるなど、希望の内容はさまざまです。人員に余裕があれば、できるだけ希望を反映することもできます。しかし、人手が足りない職場では、すべての希望を反映すると勤務表が成立しないことがあります。
一方で、希望をほとんど反映せずにシフトを組めばよいわけでもありません。希望が反映されない状態が続くと、スタッフの不満は大きくなります。また、「あの人の希望は通ったのに、自分の希望は通らなかった」という不満が出ることもあります。
このような場合は、希望の受付方法を見直すことも選択肢になります。たとえば、希望休の提出数に上限を設ける方法があります。絶対に休みたい日と、できれば休みたい日の希望を分けてもらう方法もあります。締切後の希望変更は原則として受け付けない、といったルールを設けることも考えられます。
ただし、家庭の事情や通院、介護、育児など、やむを得ない事情がある場合には、個別の配慮が必要になることもあります。その場合も、作成者だけが事情を抱え込むのではなく、必要に応じて上司と相談し、職場としてどのように扱うかを決めることが大切です。
希望の受付を制限する場合も、単に「希望を減らしてください」と伝えるだけでは、スタッフの不満につながりやすくなります。なぜ制限が必要なのか、どのような状況でシフト作成が難しくなっているのかを説明し、理解を得ることが重要です。
5.負担が偏るシフトは、長期的な対策も必要になる
毎月のシフト作成で負担が偏る場合、作成者の調整だけでは限界があります。
たとえば、夜勤に入れるスタッフが限られている場合、夜勤の負担はどうしても特定のスタッフに寄りやすくなります。リーダー業務を担えるスタッフが少ない場合も、同じスタッフばかりが責任の重い勤務に入ることになります。休日の当番に入れる人が限られていれば、休日の負担も偏りやすくなります。このような状況では、毎月の勤務表だけで負担の偏りを解消することは難しくなります。
偏りが毎月続く場合は、長期的な対策も必要です。たとえば、特定のシフトに入れるスタッフを増やしたり、採用時に必要な勤務帯に入れる人を重視したりすることが考えられます。若手や経験の浅いスタッフが役割を担えるように教育することや、特定のスタッフにしかできない業務を減らしていくことも、長期的には重要です。
もちろん、これらはすぐに実現できるとは限りません。人員確保や教育には時間がかかります。しかし、毎月同じように負担が偏っている場合、それはシフト作成者の調整だけで解決する問題ではなく、職場の体制として考えるべき問題です。
シフト作成者が毎月なんとか帳尻を合わせるだけでは、同じ負担が残り続けます。長期的には、誰がどの勤務に入れるのか、どの役割を担えるのかを職場として見直していくことが大切です。
6.作成者が一人で抱え込まないために、状況を共有する
シフト作成のストレスは、勤務表を作る作業そのものだけで生まれるわけではありません。組めない理由を一人で抱え込むことや、例外的な対応を作成者だけで判断しなければならないことも、大きな負担になります。だからこそ、シフトが組みにくい状況は、できるだけ見える形にして共有することが大切です。問題を上司や関係者に共有できれば、作成者だけが責任を負う状態を避けやすくなります。
スタッフに対しても、状況を説明することで受け止め方が変わる場合があります。不満がまったくなくなるわけではありませんが、理由が分からないまま不公平に感じる場合と、職場の状況を知ったうえでやむを得ないと感じる場合では、納得感が異なります。
コミュニケーションだけですべてが解決するわけではありません。しかし、状況が見えないままだと、作成者だけが責任を負いやすくなります。シフト作成がつらいと感じるときほど、作成者一人で抱え込まず、状況を共有することが大切です。
7.シフト作成の負担を減らすために、ツールを活用する方法
ここまで見てきたように、シフト作成の負担を減らすには、作業そのものを軽くするだけでなく、組めない理由や調整が必要な箇所を見える形にすることも大切です。
Assignoは、職場ごとの条件に従ってシフトを自動で割り振るシフト作成支援アプリです。あらかじめ設定した条件に沿って勤務表を作成できるため、毎月のシフト作成の負担を減らすことができます。
また、シフトをどうしても組めない場合でも、どの日でスタッフが足りないのか、どの条件が影響してシフトが組めないのかを確認できます。原因が見えると、「作成者の調整不足」ではなく、「この条件ではこの日が成立しない」と説明しやすくなります。これは、作成者が一人で責任を抱え込まないためにも重要です。
勤務表がアプリによって自動作成されることで、作成者個人の判断だけでシフトが決まっているように見えにくくなります。最終的な確認や調整は人が行う必要がありますが、あらかじめ決めた条件に沿って割り振る仕組みがあることで、不満が作成者個人の判断に集中しにくくなります。
シフト作成が大きなストレスになっている場合は、こうしたツールを活用することも、選択肢のひとつです。
監修者:水口 泰介
アサイノ・テクノロジーズ株式会社 代表
大学病院の医師として、部署内で約60名のスタッフのシフト作成を担当した経験をもとに、シフト作成支援アプリケーションAssignoを開発。シフト作成の考え方や判断基準を整理・体系化し、誰でも使える形でノウハウを仕組み化することに取り組んでいる。