Excelでシフト表を作るコツと工夫|集計・確認を効率化する方法と限界

シフト表をExcelで作成している職場は多くあります。Excelは自由度が高く、職場ごとの形式に合わせて表を作りやすい方法です。日付や曜日の入力、勤務回数の集計、色分けなどを工夫することで、毎月のシフト作成を効率化できます。一方で、スタッフ数が増えたり、夜勤、希望休、連勤、スキル配置、勤務間隔などの条件が増えたりすると、シフト作成に時間がかかることがあります。

この記事では、Excelでシフト表を作るときのコツと工夫を整理しながら、条件が増えたときにどのような負担が生じやすいのかを解説します。

目次

  1. Excelでシフト表を作るときに押さえておきたい考え方
  2. Excelでシフト表を作る基本構成
  3. 日付・曜日・色分けを効率化する
  4. 勤務回数や夜勤回数を正確に集計する
  5. 入力ミスや確認漏れを防ぐ工夫
  6. Excelでシフト表を運用するときの注意点
  7. 条件が増えるほど、シフト作成の調整に時間がかかりやすくなる
  8. 自動割り振りを使うと、条件に基づく配置を自動化できる

1. Excelでシフト表を作るときに押さえておきたい考え方

Excelは、シフト表を作るための実用的な方法のひとつです。多くの職場で使われており、新しいツールを導入しなくても始めやすいという特徴があります。

ただし、シフト作成は単に表を埋める作業ではありません。勤務区分を入力するだけでなく、勤務回数、希望休、連勤、夜勤、スタッフごとの事情などの条件を確認しながら、全体を調整していく作業です。

そのため、Excelでシフト表を作るときは、「入力」「集計」「確認」「調整」という工程を分けて考えると整理しやすくなります。Excelは特に入力や集計、確認の部分を効率化するのに適していますが、調整の部分は作成者の判断に委ねられることが多くなります。

2. Excelでシフト表を作る基本構成

Excelでシフト表を作る場合は、まず表の構成を整理することが重要です。日付・曜日とスタッフ名をそれぞれ縦軸または横軸に配置し、各セルに勤務区分を入力する形式がよく使われます。

さらに、入力欄だけでなく確認のための欄も用意しておくと、シフト全体を把握しやすくなります。

項目内容
日付・曜日月ごとのカレンダー部分
スタッフ名シフト対象者の一覧
シフト早番、日勤、遅番、夜勤、休みなど
スタッフ別集計欄勤務回数、夜勤回数、休日勤務回数など
日付別集計欄各日のシフト人数(例:日勤◯人、夜勤◯人)
確認欄必要人数との差、偏りの確認など

最初に構成を整えておくことで、毎月の作業をスムーズに進めやすくなります。

3. 日付・曜日・色分けを効率化する

Excelでは、日付や曜日の入力を自動化することで、作業を効率化できます。

たとえば、年月を入力するセルを用意し、その値をもとに各日付セルを数式や関数で表示するようにしておけば、月を変更したときに日付や曜日を切り替えやすくなります。曜日も日付に連動して表示されるようにしておくと、毎月手入力で修正する必要が少なくなります。

さらに、条件付き書式を使えば、土日や祝日を色分けすることができます。各シフトや休みなども視覚的に区別できるようにしておくと、シフト全体を見たときに状況を把握しやすくなります。

テンプレートとして保存しておけば、毎月同じ形式を使い回すことができ、入力や確認の手順も安定します。

4. 勤務回数や夜勤回数を正確に集計する

Excelの強みのひとつは、勤務回数を自動で集計できる点です。勤務区分を統一して入力しておけば、COUNTIF関数を使ってスタッフごとの勤務回数や夜勤回数を数えることができます。また、COUNTIFSを使えば、特定の条件に合う勤務回数を集計することも可能です。たとえば、特定の曜日に勤務した回数や、特定の勤務区分の回数を確認することができます。手作業で数える必要がなくなるため、数え間違いや見落としを防ぎやすくなります。

ただし、ここで重要なのは、Excelは「集計」は得意ですが、「どう調整するか」の判断は行わないという点です。集計結果を見て、どのスタッフをどのように調整するかは、作成者が判断する必要があります。

5. 入力ミスや確認漏れを防ぐ工夫

Excelでシフト表を作る場合は、入力ミスや確認漏れを防ぐ工夫も重要です。

シフト名は、同じ表記をコピー&ペーストして入力すると、表記のばらつきを防ぎやすくなります。「夜勤」「夜」「N」のように表記が混在すると、集計結果がずれる原因になるため、シフト名の表記はあらかじめ統一しておくことが大切です。

また、各日付ごとに入力されたシフトをCOUNTIF関数などで集計しておくと、その日に何人がどのシフトに割り振られているかを確認しやすくなります。たとえば、日勤、夜勤、休みなどの人数を日付ごとに集計しておけば、必要人数との差や入力漏れに気づきやすくなります。

さらに、数式が入っているセルをシート保護で編集できないようにしておくと、誤って集計欄を変更してしまうリスクを減らせます。

6. Excelでシフト表を運用するときの注意点

Excelは柔軟に使える一方で、運用が複雑になると管理が難しくなることがあります。

関数や条件付き書式が増えると、作成者以外には仕組みが分かりにくくなることがあります。担当者が変わったときに、どこを修正すればよいか分からなくなるケースも少なくありません。

また、ファイルをコピーして使い回している場合は、どれが最新版か分かりにくくなることがあります。複数人で編集する場合には、別々のファイルが作られてしまうこともあります。さらに、勤務希望や有給休暇を別の方法で管理している場合は、シフト表への転記漏れにも注意が必要です。

Excelでシフト表を運用する場合は、表の設計だけでなく、ファイル管理や入力ルールも含めて整備しておくことが重要です。

7. 条件が増えるほど、シフト作成の調整に時間がかかりやすくなる

シフト作成の負担は、単にスタッフ数が増えるだけでなく、考慮する条件が増えることで大きく変わります。たとえば、夜勤の翌日は明けにする、連勤の上限を守る、勤務間隔を確保する、希望休を反映する、特定のスキルを持つスタッフを配置する、といった条件があるとします。

これらの条件は、それぞれ単独ではシンプルに見える場合でも、同時に満たそうとすると調整が複雑になります。ある条件を満たそうとすると、別の条件に影響することがあるためです。

たとえば、夜勤を割り振ると、そのスタッフは翌日が明けになるため、翌日の勤務候補から外れます。勤務回数を均等にしようとすると、希望休や勤務間隔との調整が必要になることもあります。特定のスキルを持つスタッフを必ず配置しようとすると、そのスタッフに勤務が集中しないように、他の日の割り振りもあわせて見直す必要があります。

このように、シフト作成で時間がかかりやすいのは、表に入力する作業そのものではなく、複数の条件を確認しながら全体を調整する部分です。Excelでシフト表を作成する場合も、集計や色分けで確認しやすくすることはできますが、どの配置にすれば条件を満たせるかを考える作業は、作成者の判断に残りやすくなります。

8. 自動割り振りを使うと、条件に基づく配置を自動化できる

Excelは、シフト表を作成するための実用的な方法です。日付や曜日の自動表示、条件付き書式による色分け、関数を使った勤務回数や日付ごとの人数集計などを工夫すれば、毎月のシフト作成を効率化できます。スタッフ別集計欄や日付別集計欄を用意しておくことで、勤務回数の偏りや必要人数との差も確認しやすくなります。

一方で、複数の条件を同時に確認しながら全体を調整する必要がある場合、Excelだけでは負担が大きくなります。条件が増えるほど、ひとつの修正が別の条件に影響しやすくなり、確認と修正を繰り返す場面も増えます。

Assignoは、職場ごとの運用ルールを設定し、その条件に基づいてシフトを自動で割り振ることができるシフト作成支援アプリです。自動割り振りの大きなメリットは、「どのスタッフをどの日のどのシフトに入れれば、全体として条件を満たせるか」を探す部分を自動化できることです。これにより、シフト作成にかかる時間を大幅に短縮できます。さらに、シフト割り振りがうまくいかない場合には、どの条件を見直せばよいかを確認することもできます。

Excelで集計や確認を工夫しても、割り振り判断や調整に時間がかかっている場合は、こうしたアプリを活用することもひとつの方法です。

監修者:水口 泰介
アサイノ・テクノロジーズ株式会社 代表

大学病院の医師として、部署内で約60名のスタッフのシフト作成を担当した経験をもとに、シフト作成支援アプリケーションAssignoを開発。シフト作成の考え方や判断基準を整理・体系化し、誰でも使える形でノウハウを仕組み化することに取り組んでいる。

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