看護師のシフト作成が難しい理由|看護シフト特有の条件とは

看護師のシフト作成では、スタッフに勤務を割り振るだけでなく、医療現場として必要な勤務体制を整える必要があります。さらに、夜勤のようにスタッフの負担が大きい勤務もあるため、労務管理や健康管理の観点も考慮しなければなりません。

こうした条件が重なると、人数だけを見れば足りている場合でも、実際には勤務表を組みにくいことがあります。この記事では、看護師のシフト作成が難しくなりやすい理由を、制度上の前提条件や、看護シフト特有の条件を踏まえて解説します。

目次

  1. 看護師のシフト作成では、制度上の前提条件が存在する
  2. 夜勤は勤務表全体の制約になりやすい
  3. 病棟責任者・リーダーなどの配置が必要になる
  4. 勤務インターバルにより、前後の勤務が限られる
  5. 複雑な看護シフトの作成を自動化する方法

1. 看護師のシフト作成では、制度上の前提条件が存在する

看護師のシフト作成では、看護配置基準や勤務インターバルなど、医療現場として満たすべき前提条件があります。これらは、勤務表を作成するうえでの土台になる条件です。まずは、必要な人数を確保できるか、勤務と勤務の間に十分な休息時間を確保できるかを考える必要があります。

1-1. 看護配置基準と必要人数

看護配置基準とは、入院患者に対して、どの程度の看護職員を配置するかを示す基準です。病棟や入院料の区分などによって、必要とされる看護職員の配置水準は異なります。

勤務表を作成する際は、配置基準を踏まえながら、各勤務帯に必要な人数を配置する必要があります。日勤に何人、夜勤に何人という人数は、病棟や部署、診療科、施設の運用によって異なります。

1-2. 勤務インターバルと休息時間

勤務インターバルとは、勤務終了後から次の勤務開始までに確保する休息時間のことです。勤務と勤務の間に十分な休息時間を確保する考え方で、働き方や労務管理の面でも重要な要素です。

看護現場では、夜勤や準夜勤など、勤務時間帯が不規則になりやすい勤務があります。そのため、勤務インターバルは、シフト作成においても前後の勤務を考えるうえで関係してきます。

1-3. 制度上の前提条件だけでは、勤務表は完成しない

ただし、制度上の前提条件を満たせば、それだけで看護師の勤務表が完成するわけではありません。

実際のシフト作成では、制度上の前提条件を満たしたうえで、現場で必要な配置条件や職場ごとのルールを同時に反映しなければなりません。満たすべき条件が重なりやすいことが、看護師のシフト作成を難しくする大きな理由です。ここからは、看護師の勤務表作成で特に制約になりやすい条件を整理していきます。

2. 夜勤は勤務表全体の制約になりやすい

看護師のシフト作成で大きな制約になりやすいのが、夜勤です。

夜勤は勤務負担が大きく、職場によっては夜勤に入れるスタッフが限られます。また、夜勤はその日の勤務だけで完結しません。夜勤の翌日を明けとして扱う場合や、夜勤後に休みを入れる場合は、夜勤を割り振った時点で翌日以降の勤務にも影響します。

さらに、夜勤には回数の条件も関係します。夜勤は負担が大きい勤務であるため、労務管理やスタッフの健康管理の観点から、回数の上限を意識して勤務表を作成する必要があります。特定のスタッフに夜勤が偏りすぎると不公平感につながるため、負担の偏りにも配慮する必要があります。

夜勤の割り振りでは、主に次のような条件が同時に関係します。

  • 夜勤に入れるスタッフが限られる
  • 夜勤回数や夜勤間隔に上限・制限がある
  • 夜勤後の明けや休みが、翌日以降の勤務に影響する

このように、夜勤はその日の勤務だけでなく、前後の勤務や勤務表全体のバランスにも影響します。そのため、夜勤の条件が厳しい職場では、夜勤の割り振りが勤務表全体の組みやすさを左右します。

3. 病棟責任者・リーダーなどの配置が必要になる

日勤や夜勤では、その勤務帯の判断や調整を担うリーダーを配置することが一般的です。また、職場によっては、その日の病棟全体の責任者を配置する必要がある場合もあります。

病棟責任者やリーダーを担える条件は、職場によって異なります。役職で決まる場合もあれば、経験年数や業務への習熟度によって判断される場合もあります。

また、特定の資格や経験をもつスタッフを配置したい場合があります。たとえば、新人だけの勤務にならないようにする、夜勤に一定以上の経験があるスタッフを含める、特定の業務に対応できるスタッフを入れる、といった運用です。

このような条件があると、単純に必要人数を満たすだけでは勤務表を作れません。必要な役割を担えるスタッフや、資格・経験の条件を満たすスタッフの候補が少ないほど、割り振れる組み合わせは限られます。そのため、全体の人数は足りていても、必要な役割を担えるスタッフを配置できず、勤務表としては組みにくくなることがあります。

4. 勤務インターバルにより、前後の勤務が限られる

看護師のシフト作成では、ある日の勤務だけでなく、前後の勤務も考える必要があります。特に夜勤や準夜勤がある職場では、勤務と勤務の間の休息時間が短くならないように注意が必要です。

勤務インターバルを考慮すると、ある日だけを見れば勤務できそうなスタッフでも、前後の勤務を含めると割り振れないことがあります。たとえば、準夜勤の翌日に早い時間の勤務を入れると、十分な休息時間を確保しにくくなる場合があります。

夜勤後の明けや休み、連続勤務の上限なども、前後の勤務を考えるうえで関係します。これらの条件を守るほど、勤務表で選べる組み合わせは少なくなります。

そのため、看護師のシフト作成では、1日ごとの人数だけでなく、前後の勤務との関係も含めて考える必要があります。

5. 複雑な看護シフトの作成を自動化する方法

看護師のシフト作成では、現場で必要な配置条件や職場ごとのルールなど、複数の条件を同時に考える必要があります。こうした条件が重なると、人数は足りているように見えても、実際には勤務表を組みにくくなることがあります。

Assignoは、職場ごとの運用をルールとして設定し、条件を満たす組み合わせを自動で探しながらシフトを割り振るシフト作成支援アプリです。夜勤の翌日は明けにする、夜勤と夜勤の間隔を空ける、責任者やリーダーを配置する、勤務回数の偏りを抑える、連続勤務を制限するなど、職場ごとの条件を勤務表に反映できます。また、設定した条件をすべて満たす勤務表を作成できない場合には、割り振りが可能になる条件を探して提案する機能もあります。

毎月のシフトの調整に苦労している場合は、こうしたシフト作成支援アプリを活用することもひとつの方法です。

監修者:水口 泰介
アサイノ・テクノロジーズ株式会社 代表

大学病院の医師として、部署内で約60名のスタッフのシフト作成を担当した経験をもとに、シフト作成支援アプリケーションAssignoを開発。シフト作成の考え方や判断基準を整理・体系化し、誰でも使える形でノウハウを仕組み化することに取り組んでいる。

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